妊活の始め方〜基礎体温をつけよう〜
みなさんこんにちは、看護師4年目のゆんです。
”赤ちゃんが欲しいな”と思ったら、まず何から始めるべきでしょうか?
「生活環境を見直せばいいの?」「避妊しなければおっけい?」
決してそうではありません。まず妊娠を考えたとき、自分の身体の状態を把握していく必要があります。まずは基礎体温を測っていきましょう。
私自身の経験をもとに妊活の始め方・妊活中に気を付けることを今回お伝えできればと思います。
「今すぐ妊活する予定がある方」という方はもちろん、「いつかは授かりたいな」と思われている方に少しでも参考になると嬉しいです。
そもそも基礎体温って?
基礎体温と言われてパッと思いつく方と、普通の体温計とどう違うの?と思う方がいるのではないでしょうか。
それでは説明していきたいと思います。
基礎体温とは
基礎体温とは、人間が生命を維持する為に必要最低限のエネルギーを使っている時の体温であり、簡単に表現するならば、寝ている時の体温だともいえるでしょう。
女性も男性も、体温は1日の中で一定ではありません。通常は、朝が低く活動する日中から夕方にかけて高めになっていきます。
女性の基礎体温の周期は、ホルモンの分泌によっても大きく体温が変化していきます。
既に月経周期が安定している人であれば、基礎体温を記録しているうちに、「もうすぐ低温期や高温期になりそう」とか、「明日排卵しそう」と、予測がつきやすくなります。
妊娠を望むカップルにとって、基礎体温表をつけることは妊娠成立の近道になるといえるでしょう。
基礎体温の周期
この図のように健康な女性の基礎体温は低温が続く「低温期」と、高温が続く「高温期」の二相になっており、これを二相性といいます。
おおまかに低温期と高温期の二相性を描いていれば、正常な基礎体温といえます。ひとまず排卵があり、女性ホルモンが正常に働いていると考えていいと思います。
基礎体温の周期は、この「低温期」と「高温期」をだいたい1ヶ月ごとのサイクルで繰り返していきます。
まず抑えておきたいポイントは、
- だいたい排卵時期を境にして、それよりも前の低温期は生理開始前にあたり、体温がやや低くなってくる。
- 低温期は生理開始から2週間程度
- 排卵が起きると、黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌され、その影響で体温が上昇してくる。
- その後約2週間程度高温期は続き、妊娠が成立しないと生理がきて低温期へと移行する。
- 高温期はおおよそ2週間程度決まっているが、低温期は生理周期によって異なってくるため、個人差がある。
排卵日は、低温期から高温期に切り替わるタイミングでもあるため、毎日基礎体温を測っていると予測できるようになってきますが、実際には正確に排卵した日を断言できないため、排卵日を基礎体温のみで予測するのは困難です。
後から基礎体温を見返したときにこのあたりで排卵しただろう、という参考にはなってくると思います。
生理周期
月経周期とは、月経開始日から次の月経の前日までの日数ことをいいます。一般的に生理周期は28日とされることが多いですが、正常な月経周期は25~38日です。
月経周期は複数のホルモンの複雑な相互作用によって調節されており、卵胞期、排卵期、黄体期の3つに分けることができます。
排卵日を予測する方法
上述したように、排卵日は基礎体温のみで予測することは困難です。そのため正確に排卵した日を把握できる方法をいくつかご紹介したいと思います。
- おりものでチェック
排卵が近づくと、精子が子宮に入りやすくなるように、頚管粘液が盛んに分泌されます。伸びるおりものは、排卵日直前(2~3日前)がピークです。この時期になると卵白のようなトロっとした透明のおりものが多く出るようになります。粘り気があり、指にとってのばすと糸を引くほどよく伸びます。 - 排卵日予測アプリ
基礎体温表の変わりに各種の”排卵日予測アプリ”を利用される方も増えています。これらは、毎月の月経開始日を記録することで、月経周期を計算し、次の排卵日がいつかを予測する「簡易的な計算器」です。
アプリ使用で結果が得られない場合は、排卵日検査薬への切り替えや併用をオススメします。 - 排卵検査薬でチェック
排卵が近づくと、尿中に(黄体形成ホルモン)が大量に分泌される(LHサージ)ことから、 尿中のLH濃度を測定することで排卵日を予測できるようになります。市販では2000〜5000円程度(回数分によって異なる)で販売しています。
クリニックで排卵日検査もできますが確認する必要があります。費用としては、保険適用であれば1回2000〜3000円程度。ただし超音波検査(エコー)も併用して行うと保険適用外となる場合があるため、1〜2万円程度かかる場合もあります。 - 医師によるタイミング法
タイミング法は妊活の「入口」とも言える治療で、医師が排卵日を予測した後、そのタイミングで性行為をするようにカップルに指導します。
排卵日を正確に予測するために、超音波検査(エコー)や子宮内膜の状態の確認などを行います。 - 婦人科を受診
まず妊活する前に子宮がんの検査、卵巣や子宮のチェック、血液検査や性病の検査をしおきましょう。というのも、子宮内膜症などの病気をそのままにしておくと、将来、不妊の原因になることがあるからです。
治療に時間がかかる場合があるため、早期に受診し検査をしておくことでスムーズに妊活ができるのではないかと思います。
基礎体温でわかること
毎日継続的に測定していくことでわかってくることは、
- 次の生理の予測ができる
- 妊娠しやすい時期の予測ができる
- 体調が良い時と悪い時がわかる
- 排卵ができているかどうかがわかる
- 女性ホルモンが分泌できているかどうかがわかる
- 妊娠の可能性があるかどうかチェックすることができる
こちらが挙げられると思います。まず基礎体温を知ることで、つらかった月経前症候群(PMS)とうまくつきあえるようになるかもしれませんし、生理前にありがちな彼との喧嘩をへらせるかもしれないです。
大事なことは、基礎体温からなにを知りたいかということです。
基礎体温をつける目的がはっきりすれば、つけるのが毎日楽しくなると思いますし、自分の心と身体を今まで以上に大切にできるはずでしょう。
基礎体温計について
基礎体温の微妙な変化を読み取るために、目盛りの細かい「基礎体温計(婦人体温計)」を使います。
基礎体温計の選び方
普通の体温計であれば、”36.1℃”のように小数第一位までですが、基礎体温計(婦人体温計)は小数第二位まで計測することができます。
まず婦人科体温計を選ぶときに気を付けたいポイントをご紹介したいと思います。
- 基礎体温計を選ぶ1番のポイントは「正確性」
少数第二位まで正確に測れるものを選びましょう。オススメのメーカーとしては職場でもよく使っている”オムロン”や”テルモ”などが信頼できると思います。 - 実測式か予測式
朝の時間帯に余裕がある人は体温計を5分程度口の中に入れる「実測式タイプ」がオススメ。ただし起き上がることや寝返りをうつなどはNGです。
朝の忙しい時間帯にそんなことできない!という方は、検測開始からの体温の上がり方を分析し5分後の体温を予測する「予測式タイプ」がオススメです。予測式の方が誤差も少なく、早い時間で検温ができるので継続しやすいかと思います。 - 衛生的に使えるかどうか
基礎体温計は、口の中に入れて測定するものなので使用後にそのまま放置することはNGです。防水性能の高い、水洗いできるかも重要なポイントです。
最後は自分の性格やこだわりで選ぶと継続して測定できるかもね!
基礎体温の測り方
基礎体温計は単に口の中に入れて測定すればいいという訳ではありません。正しい使い方で測定するようにしていきましょう。
- 目覚めてすぐに体温を測定する
基礎体温は起床後直後に測定するようにしましょう。布団から起き上がるだけでも体温は変化してしまいます。そのため、寝る前に朝起きて手の届くところに基礎体温計を置いておきましょう。 - 測定位置は舌の下側
基礎体温計は、下の裏側で測定します。体温計の先を下の裏の中央にあるスジの右か左のくぼみに当てます。 - 基礎体温を入れた口は閉じる
測定中は口で息はせずに、鼻で呼吸するようにしましょう。測定が終わるまで静かに待ちましょう。 - 測定後、値を記録
継続して測定し、データをアプリなどに記録することが大切です。
妊活を始める前に大切なこと
妊活に取り組むなら、まずは身体が健康であることが大事です。
生理や基礎体温を記録したり、排卵検査薬を試してみたりすることは、自分の体内で日々おきているホルモンの変化に目を向けることにも繋がります。
自分の身体のコンディションをチェックしておくことは、妊活だけではなく、自分自身が健やかに暮らしていくためにも大切なことです。
生活習慣の見直し
妊娠に向けた身体づくりのためには、規則正しい生活習慣が欠かせません。
1日3食、栄養バランスの取れた食生活を送る、適度な運動を習慣にする、質の良い睡眠を取るなど、男女ともに日頃から健康的な生活を心がけることが大切です。
また、喫煙は本人の健康を害するのはもちろん、不妊や早産・発育障害などの原因に繋がりますし、それに加えて普段お酒飲まれる方は禁酒しましょう。
過度なストレスの溜めすぎも身体に良くないから、適度にリフレッシュしていこうね!
葉酸の摂取
葉酸は妊活中から妊娠している間、積極的に摂りたい栄養素です。
妊娠初期は、脳・神経・心臓など、赤ちゃんの体の重要な部分が形成されるため、特に葉酸の摂取が重要だといわれています。葉酸は新しい赤血球を作ったり、妊娠初期の活発な細胞増殖に必要なDNAやRNAの合成に関与するなど、胎児の発育にとって欠かせない栄養素です。
また、妊娠初期には脳や脊髄のもととなる神経管が形成されますが、これには母体が摂取する葉酸の量が重要なカギを握っているのではないかと考えています。
ちなみに私は、クリニックからオススメされたエレビットを飲んでました。1日3粒飲むだけで、妊娠中に大切な栄養素がたくさん取れるのは本当にありがたかったです!
身体を冷やさない
妊活に苦戦している方の中でも多いのが「冷え体質」の方だと思います。冷え体質の方は様々な体の不調の原因になってしまうため、妊活にも悪影響があると言われています。
温活をして体温を上げていき、妊活においても授かるための身体を作りやすくします。
あくまで体のケアであるため、必ずしも効果があるわけではありませんが、「妊活のためにできることの一つ」として取り組んでみてはいかがでしょうか。
また、温活はその時だけしても意味がないので、継続して試してみてください。
ストレスを溜めすぎない
「妊娠したい女性・している女性にとってストレスはよくない」ということは、一般的にもよく知られているかと思います。
過剰なストレスは、間接的に卵巣機能を低下させ、ひいては不妊症にも繋がっていくことにもなりますし、ストレスが妊娠の妨げになります。
近年、「妊活」という言葉をよく耳にするようになりましたが、妊娠を目指している期間は、仕事をお休みするなどして、できるだけストレスを軽減することも、妊活の目的の1つとなっています。
また何にストレスをどの程度感じるのかも、人によって異なりますが、自分の心と身体を見つめ直し、心からリラックスできる環境を整えたり、ストレスを感じにくい心のコントロールの方法を身につけいくことが大切だと思います。
最後に
実際に妊活をすると、どのような思いを抱くのでしょうか?
辛いことや嬉しいこと、他人の何気ない言葉に傷ついたり、逆に自分を見守ってくれている家族の愛に触れたりしている実感が出てきますよね。
私自身も妊活経験者だったため、生理くるたびに落ち込んだり、さりげない一言で心痛める場面も数多くありました。その反面、救われた言葉、言われて嬉しかった言葉もありました。
色んな言葉に支えられて、さまざまな思いを乗り越えていくので、やっぱり自然と母になっていく女性は強くなっていくものなのかもしれないですね。
旦那さんをはじめ、自分を支えてくれる家族や友人の優しさを知って母になった人たちは、きっとその思いを子どもにも注いであげることができると思います。
「今すぐ妊活する予定がある方」という方や「いつかは授かりたいな」と思われている方に少しでも参考になると嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。